わかれのうた

2009/10
太陽のような笑顔の奥深く沈んだ
救いを求めるような君の瞳
何度か僕は気づかないふりをした
散らかった薄暗い世界から
打ちひしがれた心で見上げた君の笑顔は
本当に太陽のようにまぶしくて
まともに見たら目を焼かれてしまいそうで
きちんと君の顔 見られなかったから
君の眼に宿ったそのかげりが 僕には少し
僕を試そうとする ずるさに思えた
北風との勝負に勝った太陽みたいに
僕を無防備にしたまま
あの暗闇に迷い込ませた君のこと
僕は恨んでばかりいた
でも本当は君は
凍えるような孤独の影に いつも怯えていたんだね
なりふり構わず君を求めるその熱で
君を温める誰かを 必要としてたんだね
偽りの孤独のなかに 失いかけた夢を閉じ込めて
生きていた僕に
その役目 つとめられたはずもない
どこかで君は それに気づいていたんだろう
そばにいなくても感じられた君の熱が届かなくなって
すがりついた月明かりさえも 地球(ぼく)の影に隠れて
前よりも深い暗闇の中で 本当の孤独の縁に立ってみて
やっと僕にも君の心が 少しだけわかった気がした