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おひさま おひさま 眩しく照らす

薄暗がりに慣れたこの目が

つよい光にやられぬやうにと

伏せつづけてゐたひとみの奥は

ひとたびあなたをみあげたときに

とうに灼かれてゐたのかも

まぶたのうらのまぼろしだけを

追ひかけつづけてきたのかも


おひさま おひさま 眩しく照らす

かへすひかりにさへさいなまれ 

疲れたこの目を淡いひかりに

休ませようとはしてみたけれど

月はあなたのそのかがやきを 

ただそのうへに映すだけ

つめたいあかりが届かぬ熱を

思ひ出させてつらくなる