ピアノ音楽

「録音物でピアノ音楽なんか聴いて、何が楽しいんだろう」派(?)だったが、asioにして、srs-z1でこれ

ドビュッシー:前奏曲集 第1巻、映像第1集、第2集

ドビュッシー:前奏曲集 第1巻、映像第1集、第2集

を聴いてて、完全に認識を改めるの巻。
 まあasioって言っても、使ってるハード自体はそんなに大層なものでもないけれど(…例えばsrs-z1はミニプラグしか入力がないから、オーテクの定価3000程度のケーブルだとか…)、srs-z1は、低音の量は圧倒的に足りなくても、それを補って有り余る倍音再生能力で、印象派ピアノ曲聴くにも、タッチの違いで生まれる微妙な音色差を十分に楽しませてくれる。
 ミケランジェリ谷山浩子さんのお気に入りピアニストだそうだが、これほどの精密な操作をやってのけるこの人の手、やっぱりすごいのですね…。
 細かいパッセージでも音色のコントロールがおろそかになることの全くない、完璧に研ぎ澄まされた意識が各音に染み渡っていて、スピーカーを伝ってこの人の集中力がそのまま流れ出しているかのようです。

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 ちょっと試しに、SE-U33GXVにつないで同音源を聴いてみる。上位機種のSE-U55SXとの差は、特にこの音源では顕著で、33の方は、今の環境では、ピアノ音楽を「楽しむ」という水準をクリアできていない。
 倍音の再現性が低くて、主音程だけが耳に付くし、低声部の動きがどうもぼやけて聞こえる。これらが全部合わさると、非常にそれ「っぽい」音にはなるのだが、そのぶん何か余計に貧乏くさい気分にさせられてしまう…。
 両者の音質の違いの原因として大きそうなのが、電源供給方法の違いで、55の方は、USBの給電自体をオフにしているらしく、33よりも安定しているのはそのためかと思われる。33の方では、USB由来と考えられるノイズ(ブチの入る率が少し高い)や再現の不正確さ(ところどころ時間軸の曖昧さもあって、微妙に音程が伸びたりすることもある)がある。
 特にSRS-Z1みたいな、反応性の良い環境だと、この点ははっきりと表に出てくるらしい。ATH-ES55では、そこまではっきりとは感じない。