Teclast TL-T51 評価。

もう届いたのであった。2日早く注文したebookoffとほぼ同時到着というなんぢゃそら。
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 早速、チェリブラームス : 交響曲 第4番 ホ短調 作品98を入れて聞く。情報量は流石に多いんだが、なんか音場がもっこり(?)していて、あれれ?とおもってしばらくいろいろいじっていたら、音場エフェクトで「3D」とかいうのが入っていて、普通にしたら輪郭くっきりのいい音が。改めて聴くとやっぱりこの演奏の尋常でなさがよくわかる。
 てか、ググってたら結局WAVも再生可能らしくて、入れてみたらフツーに再生できたという…。


 評価だが、わざわざのDAPに期待していた時間軸はバッチリ、全く不満なし。いろいろ聞いていると、リズム的な仕掛け…特別に複雑なものでなくても、単純な同一音型の反復でも、それが時間的に蓄積されて一つのリアリティを作る効果というのは、やはり時間軸制度のわずかな善し悪しで、非常に変わってしまうのが解る。この点、本機は大満足といえる。

 非時間軸的要素だが、情報量の多さ、分解能の高さ、などに関しては、十分CDクォリティを満たしている点を別として、特に個人的な好みに関わることとして、とりあえず、1.音色、2.空間表現とに分けてメモしておく。以下全てWAV再生時。


1.音色
 ATH-AD900で聴いた印象では、全音域特に不自然な凹みなども感じられない。ただし、電源計に由来するのかDAC回路かはたまたアンプに由来するのかは不明だが、僅かだが輪郭がギザギザしてしまっている。(この印象が、D-EJ800で電源をIMPULSEから劣化させたときの劣化と、非常によく似ている。)
 特に、上記ブラームスに聞かれるごとく、オーケストラ音源でも余裕、というわけには行かない様子。といっても、非整数次倍音の豊富な楽器音でも深刻な破綻などは全くなく、許容範囲ではありかつ安心して聴ける。
 ATH-ES3では、これは少し相性がよろしくない印象。このヘッドホンでは、輪郭の曖昧なDAPなどでもそれなりにカクカクと聞かせてくれる、上手い音作りがしてあるのだが、それが本機に対しては少し裏目に出て、輪郭が堅すぎる印象。特に、拍子木みたいに音のスピードが速く耳の奥を直接叩かれるような類いの音では、少し表現が過剰になる。
 音色では総合的に、変にまったりしたり暴れたりはないものの、サラッとした繊細でシルキーな傾向は薄く、その点自分の好みとは少し外れている。この点では、ONKYO SE-U55SXのヘッドホンアンプ(ただし電源はRAL-AC05-03)の方が勝っていたし、単純に傾向ということで言えば、SONYのCD-WALKMANの方が好みではある。


2.空間表現
 この点は、昨年半年ほど前に試験導入したKENWOOD MG-F516の音場の狭さに辟易してDAPフォビアになりかけてすらいたので、上記の時間軸とともに最大の眼目の一つであった。結論としては、許容範囲は余裕でクリアしてくれていて安心したものの、まだ少し不満が隠せない。
 思うところがあるのは、この点については、そこまで音質の良いとは言えないD-EJ800や、さらにはRATOC RAL-2496HA1などでも遙かにマシに感じられたし、この辺りが小型のDAPの(部品的もしくはコンセプト的)限界なのかも、などと勝手に思ってみたりする。
 UTAUを聴くとよくわかるが、声の残響が、本機では、細かく追いかけられるものの、そこに奥行きがなく、EJ-800に後れを取る。

 その他、定位などに関しては、もっといろいろな音源を使って、ラインアウトからSRS-Z1につないで、週末辺り、丸裸にして意地悪く試してやろうかと思う。


(追記 
SE-U55SXにラインでつないで確認。音のギザ付きは殆ど全く気にならない程度に改善。この点、本機ではアンプ部に原因有りと思われる。 また、音場に関しては余り変わらないから、ここはDACに原因有りと思われる。)
 
 
 以上、音質面では、今のところ十分合格点という判断は出来るものの、特に外出時にはヘッドホンの選択など、いろいろと工夫の余地はありそうである。
 あと、ソフト面に関しては、実は非常にツメが甘くいろいろ不満があるのだが、それはまた別に書くことにする。


(主な試聴ソース)

UTAU

UTAU

ブラームス : 交響曲 第4番 ホ短調 作品98

ブラームス : 交響曲 第4番 ホ短調 作品98

しまうま

しまうま