読書メモ(ツイートまとめ) 『脳を創る読書』

脳を創る読書

脳を創る読書

酒井邦嘉『脳を創る読書』で、活字を読む際に必要とされる情報補充能力(音調、文脈、感情etc...)について、それに「想像力」という用語を当ててるのに若干の違和感。「想像」というのは「像=視覚的情報」を「想う=具体的に心象を形成する」ことなので、(続

posted at 12:25:20

続)音調とか文脈とかの抽象的な情報の想起には、必ずしも適切な用語ではない気がした。もっと直接的に「情報補充能力」にしたほうが、手垢にまみれた「想像力」という用語よりいいんじゃないかな、という気も。(続

posted at 12:25:57


続)英語でimagineというとこれもimage=視覚的情報だが、SODでは他にconceptのニュアンスも指摘。要はどちらも無時間的な表象ってことで共通している。文脈などを、脱時間化することにより、無時間的な表象として概念化することで、活字への情報補充する、という意味で、

posted at 12:26:43

続)「想像」をこのimagineの訳語として当てるならば、まあ間違いでは無いのだけども。そういう筋の造語語源なのかな、と思って『新潮国語辞典』見てみたら、古くは中国に用例、「想’象’」の文字遣いが紹介され「象を思い浮かべる」的な説明が。(続

posted at 12:27:33

続)しかしこれは「像」の字源とかのどうなんだろうとか想うと、どうにも微妙な感触が。後で電子辞書の日国精選版も見てみよう。

posted at 12:27:47


『常用字解』引くと、「像」の金文甲骨例はなく、後代の造字。「視覚的印象」という意味は、「像」の古音の「ヨウ」が「様」と同語源ではないか、とのこと。「象形」とか「象徴」の「象=かたち」の意味は、「像」からの逆算による使い方?

posted at 12:37:31


『脳を創る読書』、前半ではチョムスキー木構造や人間の思考の再帰性など絡めて「先読み能力」についての考察。読みながらやっぱりトマセロのことがずっと頭にあって、「先読み」というのはそのとおりなんだけど、そのツールとしては無時間的表象たる「スキーマ」が必要とされるんじゃないかとか(続

posted at 12:49:17

続)思うわけで。言語について考えるときに、時間性にばかり注目されると、なんか違う気がする。時間的には順番だけど、それを脱時間化して空間表象として捉えると、「順番」は「位置」へと変換される。「想像力」という用語に具体的内容を詰めようとすると、わしの場合こうなっちゃう…。

posted at 12:49:49


『脳を創る読書』読了…。結局「なぜ電子端末でなく本なのか」ということについては、本質的なことは「空間的な手がかりが多く、それによって経験を豊かにして記憶や思考の活性化に繋げやすい」ぐらいのこで、著者の経歴に対する期待からは多少の肩透かし感が。

posted at 20:44:39

紙の書籍の「量的な手がかりが豊富」ということに関しては、活字という抽象的な情報を処理している間に、「生身の肉体」や「物理・物質系としての脳」が具体的に何を行なっているかをリストにして示し、電子と紙の書籍で対比するだけで、結構な紙媒体擁護になるんじゃないか、という気がする。

posted at 20:58:26

個人的に紙媒体の利点は、

  • ぽいっと投げてもぶつけても湿らせてもちょっとやそっとじゃ壊れないこと、
  • 座っても立っても寝てもうつぶせでも仰向けでも寝仏でも夫々に対応した持ち方が出来る(特にソフトカバー)、
  • ページを捲るごとにわずかずつ移動していく重心、
  • マーキング等の動作が普通のメモと連続的で特別な操作不要、

など。