睡眠導入幻聴
なんかすごいタイトルだけど。
これ
Musicophilia: Tales of Music and the Brain (Vintage)
- 作者: Oliver Sacks
- 出版社/メーカー: Vintage
- 発売日: 2008/09/23
- メディア: ペーパーバック
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何年か前に、遊びのつもりでやってたことがある。
夜寝るまえ、寝っ転がって何もせずに、可能な限り意識を途切れさせるような音のない環境で、何でも良いから具体的に音楽をイメージする。幾らも経たないうちに、幻聴として実際に耳に、というか頭の中に、というか、音が聞こえてきて、まもなく安眠が出来る、という。意識に昇るほどの音量の音が実際に耳に入ってしまうと、たちまち消えてしまう。自分が腕を動かす音や、下手したら息づかいが荒くなるだけでも。
自分で遊んでて楽しかったのは、アンサンブルの楽器の音とか、普通は全く認識出来ないような細部まで聞きとれたことで、弦楽器のアンサンブルが鳴り始めたときは、あっちの音聴きながらこっちのラインの動きを注視したり(…何故か視覚的に音の空間配置を眺めているような感覚だったので、「注視」という言葉がしっくりくる)、普通に起きていて意識的に音楽を聴いていても出来ないようなことが、実際に頭の中で起こっていた。
「安眠できる」と書いたが、どっちかというと、その覚醒状態を長く維持できずに、自動的に無意識に吸い込まれる=眠ってしまう、と言った方が正しいかもしれない。
多分、大脳生理学的には割とヤバいことやってんだろな、て自覚はあって、もうやったりはしないが。そのまま入眠してしまえるから良いようなもので、ずっとそのまま続いてたら、上記の本みたいに大変なことになる。
音楽経験というのは、いったい何なんだろな、て話で。突き詰めてないからどうとも言えないんだが、どれだけリアルな再生装置を使ったところで、頭の中の操作で出来るこういう経験とは、多分全く次元の違ったものっぽく。
オーディオ関連の情報収集してると、衝動的にいろいろ試してみたくはなるものの、ふと、いったい何でこんなことが、やってどうするのか分かっていない、てことに気付く。これはもうなんか、自分の中ではパターン化してる反応。
演奏する行為は何よりも自分で聴く行為であって、聴く行為は演奏することでもあって、両者の間に違いが無くなるところ、とかなんとか…。