読書メモ『北欧神話と伝説』

本屋で見かけて、ふと、神話の世界、というよりも、残酷で半ば滑稽な虚構の世界に心を遊ばせたくなり、衝動買い。そういえば、読みもの範疇の本を買うのも、ずいぶん久しぶりな気がする。

北欧神話と伝説 (講談社学術文庫)

北欧神話と伝説 (講談社学術文庫)

 ある日、三人の神は浜辺を歩いているうちに、岸に流れよっていた二本の木の幹を見つけた。彼らはそれを人間の形に刻んで、頬に燃えるような赤みを与えた。一人はそれに呼吸と生命を贈り、もう一人は智恵と四肢の自由さを、三人めは視力や聴覚やすべての感覚を与えた。
p.34

 この部分を読んでいて、「電力、情報処理・出力装置、入力機器」とまとめた自分は、いったいどうなんだろう、と。
 でもまぁ、この本文、生命体の構成要素を上手くとらえた記述であるのには感心する。
 「情報系としての」生命体、と言ってもいいかもしれない。そのあたりは、丁度これが進行中。

養老孟司の人間科学講義 (ちくま学芸文庫)

養老孟司の人間科学講義 (ちくま学芸文庫)

こちらは、ぼちぼち進めてはいるものの、すっかり睡眠導入剤的役割を果たすようになってしまって、全然進まない。まぁ内容としても、これまでの養老さんの考えを体系化してみた、というものだから、以前からの読者にはなじみのことばかり書いてある。


…て、いかんいかん、虚構の世界はどうした、虚構の世界は…。