デ・プレ。

一昨日届き。

Josquin: Motets & Chansons

Josquin: Motets & Chansons

とても良いです。
いわゆる「感動する」類の音楽では全くない。夏にダウランドとか聞き始めて感じた、「クライマックスを作らない、かといってアンチクライマックスにならない」技術が究極に研ぎ澄まされていて、曲全体に充実感が満ちている。
バロック以降の音楽とは根本的に異なる複雑さ、洗練を持った音楽。ところどころ聞き慣れた響きがあるようで、曲中でのたゆたいの位置づけはまるで異なり、何方ともなく現れて、何方とも無く消えていく様子に、「あじわい」のようなものを嗅ぎ取る。
近代以降のいわゆる現代音楽が、通奏低音的な発想から離れて行くその先には、もしかしてこういう世界への羨望があったのかもしれない、などと夢想してみる。
西ヨーロッパ芸術音楽が、ブラームスでもワーグナーでもマーラーでもフォーレでも、いずれの方向に進むにしても、その響きの最上の部分は、ここに共通の響きへの渇望の対象があるようにすら感じる。


うーん、もっと聴きたいな、大ハマリだなこれは。