浦富。

岩美の教室に向かう途中、ふと思い立って、網代から入って崖沿いを通る景勝コース(?)を通る。
 明るい時間に通ったことは以前にもあったはずだが、途中、入り組んだ崖の辺りに多くの家の建ち並ぶ入り江の町が、なんだかとても感動的に見えた。
 最近テレビでバルパライソの町を見た時と同じような感慨。もともと高低差のある町というのに弱いのだけど、入り江の町のその人間スケールの作りというのが、泣きたくなるほどのノスタルジーを醸していたのだよね。日のだいぶ傾く時間だったのも、手伝ったのかしら…。
 半年前から、兵庫県の浜坂にも通っていて、山陰海岸ジオパークの海岸沿いを毎週車で走ってゆく。最近は陽も長くなってきて、西向きの岸壁が朱く染まる姿が美しく、半ば柳田国男の夕日の話の狂気を誘うような趣さえある。
 今度晴れた日には、幹線道路を外れた海辺の町を、休憩を惜しんで少し廻ってみようかと思う。