辞める子の話など。

塾で保護者さんなんか見てると、勉強することは人間変わることだとは思ってない人がやっぱり大半なのかなという。知識というものが自分そのものと切り離されたただのコレクションになるとEM菌とか江戸仕草とか豚生レバーとかそーゆー話が出てくるんだと養老さん風に言えば。

塾で持ってる子が1人辞めることになったのだが、曰わく、学校の進度に追いついてないから、とかなんとかだそうな。その子はいつも、こちらの出す課題に集中できず、よそ見したり、落書きしたり、まるで時間を有効に使おうとしない。

以前には、遅刻してきた時間分を後で補うことはできませんよ、と言うと、時間が短くても値段が同じなんですか?なんてことを言ったことも。

行動と言葉のちぐはぐさをまるで認識してなくて、まあそんなうちはどうせ何をやっても無駄だ。そこから改善していこうと授業を積み重ねていた積もりだったんだけどね。

まーいいや、しーらねっと。

気分屋のフリーダム親(当人に自覚はなさそう)の相手とか安い時給の非常勤でやってられるかよ。


ちなみにやや注意多動的な素因がありそうにも思えたけど、それよりも愛着障害的なところに起因しそうな間の悪さみたいなところの方が問題がある気はした。親、たぶん半ネグレクトみたいなところありそうだし。いずれにせよ、ワシの手には負えません。

教科書を開いて、立てて持って自分で見ながら、ここやるんですか?なんて言うのだ。こっちからは、その子がどこを開いているのか、確認できない。ちゃんと見せてと言うと、不満げな顔をする。どーせぇゆーんじゃ。

所謂shared intentionarity とか joint attention とかの能力が、うまく育って無い感じ。先天的にそこまでの注意欠陥がありそうにも見えないし、やっぱり環境因じゃないかって気がするんだが、それも暫く対策を施して効果を見ながらでないと、断定は出来ん。

そこから涵養していくにしても、やっぱりワシの能力的にも塾のシステム的にも、完全にキャパオーバーですわね。


げに、げに。


そういう社会の前提で、親御さんも持ってきてくれるといいのだが、やめた後は、本人の友達が通ってる塾に通わせるらしい。なんでも、その友達がそこに通い始めてからクラスで成績が一番になったとかで。

塾に行く程度の努力でクラス1番になれる素質の子供と並べられて、余計に拗らせなければ良いのだけど。

まあ、個別席で仕切のあるようなスタイルの教室らしいので、その子には向いてるのかもしれん。


しーらね、と言いつつ気にしまくってるマン。