中学英語単語集など。ツイートまとめ
2013年6月23日
本屋に行って学習コーナーで色々物色していたら欲しくなってしまったものがあったので、中学英語関連をいくつか購入。
posted at 21:26:33
①『高校入試 フレーズで覚える英単語1400』(文英堂)
「冠詞+名詞+名詞」とか「他動詞+目的語」とかの、文法的な最小の句がひたすら並べてある。
ちょうど某教室でだいぶやばい進度の中3生用に似たような単純練習やっていたところで、これは使えそうと言うことで。
「単語の暗記」をする際の難点だと思うんだけど、修飾要素や限定詞を一切組み合わせない単独の語って、実際には「形態素」とでも呼びたくなるもので、これだけだと「その単語の意味自体」が実は十分に確定しないので、あまりそういう暗記は良くないというか効率的でないと思っている。
動詞にしても、補部をとらない形で出現する動詞というのは実際には希で、こちらも目的語や補語などの文型要素が加わらないと、実際には意味が確定しない。
あと、単語が組合せで表れる場合、重要なのかアクセントの置き方で、これも単語そのものをいくら追いかけても出てこない。
こういうこと考えると、単語の学習とは言え、組合せで練習しないでは、「文を構成する要素としての振る舞い」まで視野に入れた学習は、たぶん無理なんじゃないか。
そうした点でこの文英堂のやつは随分使い出がある。
文章の音読の前段階でこれ使った音読練習というのは、アリ。
…なんだけど、ぽいっと生徒に渡すにはまずいぶぶんがあって、発音ガイドのかな書きが、ちょっとおかしいとかでなく完全に間違ってるところがある。動詞のuseの下にユースと仮名が振ってあるのは校正段階のミスかもしれないが、causeをコウズ、rawをロウとしてしまっているのは原稿の段階だろうから良くない。
まあCDが付いてるからまだ良いんだが。
発音表記以外で気になるのは、動詞の文型の分類をSVOまでにしてしまっているとこ。それ以外はgo to(場所)みたいなSVA文型なども「熟語編」に放り込んであって、紙幅の関係だろうが文型ごとの必須要素にしたがったセクションをそれぞれ作ればいいのにとも思う。
所々に入ってる解説ページで、簡潔ながら前置詞+名詞の役割にも触れているところはマル。
②単語集2冊『ハイパー英語教室 中学英単語1600』(桐原書店)、『Groupingで丸覚え!すいすい暗記英単語1200』(受験研究社)
いずれも簡易なテーマ別分類一覧がついてるもの。
中学レベルなので、色々立ち読みしてみたけど書いてあることは殆ど代わらない。問題は見せ方。
上記2冊では、ページごとの提示語数とスペースが全て統一されている。これ結構大事だと勝手に思っている。
桐原のほう。ページの構成としては、見開きの左ページに単語と意味、左が例文と訳。
レベル別に3段階に全体が構成されているだけで、単語の提示順は品詞も文法的特徴も関係なく、ばらばらで一緒くたに並べてある。
受験研究社のほう。レイアウトが特徴的で、見開きの左端と右端に単語が並んでいて、各単語の下のスペースに例文。単語と例文の訳は見開きの内側に位置していて、本をきちんと開かないと目に入らない、つまり暗記のために日本語情報を見たくなければ、ちゃんと開かなければよい。こういう工夫は良い。
類義語の使い分けや文法トピックなどが所々吹き出しの形で提示してある。これがツボを押さえていて、良い。
また所々に重要句動詞や活用を表形式で。
この単語集は、カナ発音表記もなかなかウマいね。
カナでの発音表記は当然不十分で気をつけて使う必要があるけど、音素の使い分けとかをきっちりルール化してあれば、なかなか捨てたものじゃない。カナによる発音表記で一番感心したのは荒牧鉄雄『カナ発音 英和小辞典』(大学書林)で、lとr、hとfの書き分け、「〜」や「^」などの補助記号を駆使して表現可能な音素の対立を実に上手く表している。
受験研究社のこの単語集も、たぶん荒牧編を参照してるんじゃないかな?
かなりいい線を行っている。
『Groupingで丸覚え!すいすい暗記英単語1200』(受験研究社)は、総合的にみてかなりおすすめ出来るものかと思う。
③『ハウディ英和辞典』『ハウディ和英辞典』(講談社)
英和と和英の統合版も出ているのだけど、別々に買った。
この辞典、数年前に初級者向け英和和英辞典ってどんなものがあるのか調べてみたときに、良いモノだなあと思っていて、今回改めて改訂版を見てみてもやっぱり良いので、仕事柄買っておくことにした。
『ハウディ英和辞典』いろいろ良いところはあるのだけど、一番良いのは「ムダにガキっぽくない」ところだろう。
語彙・表現を初級に集中したというだけで、レイアウトも記述様式も、大人向け辞書と同じ感覚で作られている。
白水社に『パスポート〇和辞典』シリーズとよく似た感じ。
あれの英語版という表現がしっくりくる。