読書メモ 『英語の仕組み』

結構いい本だと思いました。

英語のしくみ

英語のしくみ

現在完了は「今の時点」との関わりにポイントがある、とか、不定詞の未来指向だとか、will とbe going toの違いとか、強調のdoだとか、確率の高いことは未来でも現在形、だとか、新情報と旧情報、等々、普段から英文に触れ、文法書や辞書を具に調べる人間にとっては特別でも何でもないことしか書いていないのだが、英語教育という観点から考えたときの問題点は、そういう具に調べる人でなければ、こういう知識が提供される機会が殆どない、という点である。
 これらの知識は、英語を英語として理解するには、知っていなければ話にならないが、知ってしまいさえすれば別に難しくも何ともないものでもある。つまりどういうことかというと、はじめにフレームワークとして提供されるべき、基本的な知識なのである。にもかかわらず、特別に努力する人や、好き者ぐらいしかきちんと意識できてはいない。
 こういうことを教育システムで提供しないというのは、「好きなやつとか出来るやつは勝手に調べてやっときなさい」と言っているに等しく、公的資金の投入に値しない…とか思うので、この本で述べられていることぐらいは、常に説明出来る準備をしておかねば、などと自分も教えることのある身で改めて思ったりする。