読書メモ『怒らないこと』。

怒らないこと―役立つ初期仏教法話〈1〉 (サンガ新書)

怒らないこと―役立つ初期仏教法話〈1〉 (サンガ新書)

 仏典では、「怒り」と「愛情」を、人間の感情の二つの極点として置くのだという。
 そして「怒り」は、以下のような様々な現れ方をする、という。

  • dosa…暗い感情
  • vera…怒り
  • upanahi…恨み(いったん怒りが生まれたらなかなか消えなくて、何日でも何ヶ月でも一生でも続くこと)
  • makkhi…軽視する性格(人の才能・能力・美貌・体力などの長所を認めたくなくて、何か言いがかりをつけて軽視する)
  • palasi…張り合うこと(いつも他人と競争し、倒そうとする気持ちで、他人に打ち勝つ気持ちで生きている、周りの人に対して挑戦的なので、結果として張り合うことになる)
  • issuki…嫉妬すること(他人のよいところを認めたくない気持ちで、そのエネルギーを自分の内心に向けて暗くなる)
  • macchari…物惜しみ(自分が持っているものを他人も使用して喜ぶのが嫌)
  • dubbaca…反抗的(他人から学ぶことが出来ず、拒絶反応を起こす)
  • kukkucca…後悔(過去の失敗・過ちを憶い出しては悩むこと、かなり暗い性格)
  • byapada…激怒(異常な怒り、何も理由がないにもかかわらず、怒ること、人を殴ったり殺したりする場合)

 言われてみると、確かにこれらは一つのことだな、と、実感として納得できる。自分の中のどうにもならないものを整理して見せてくれているようで、すごくすっきりする。
 これを読んでみた後で、自分の内面を観察して、ああこれも怒り、あれも怒り、と納得し、自分に対して一歩離れた立ち位置を保つことが出来る。
 これはいい拾いもの。