読書メモ『七秒しか記憶がもたない男』

デボラ・ウェアリング)/匝瑳玲子訳『七秒しか記憶がもたない男』読了。
原書はチャレンジしつつも、語り口が何となく掴めず、途中で止まっていた物。やはり女性訳者で正解の気がする。

最終盤、著者が自分と自分の人生を肯定するきっかけとなったのが、クリスチャンの友人が電話越しに聞かせてくれた神への祈りだった、という、最後のところが、結構意外な終り方。

Oliver Sacks " Musicophilia" の、本書のエピソードを扱った章では、脳・記憶と音楽に関する考察がふんだんにあって、本書にも少しそういう内容を期待したが、原書副題の"a momoir of love and amnesia"とある様に、妻の視点からの回想録であった。

「自分に "ついて"の知識がなくても、自分自身でいられる」

七秒しか記憶がもたない男 脳損傷から奇跡の回復を遂げるまで

七秒しか記憶がもたない男 脳損傷から奇跡の回復を遂げるまで