メモ。

外国語学習の科学―第二言語習得論とは何か (岩波新書)

外国語学習の科学―第二言語習得論とは何か (岩波新書)

夕方に届いて、とりあえず三分の一ぐらい。とても読みやすいので、言語学かじってない人にも勧められそう。
内容と関係のない感想、どんな分野でも良いのだけど、きちんと有意な結果を識別できるような対照実験のコンディションを組む能力って、多分才能なんだろうな、と。よくこんなの思いつくよなぁ、ての、ちょくちょく見ますよね。
ただ思いつくだけでなくて、それを頭の片隅に保留しつつ、別の実験パターンとの有効性の比較を混乱することなくやってのけてしまう、とかなんとか、そういう人の頭の中の様子を妄想してみる。
トマセロとかもその辺、抜群に鋭いんだろうな、という気がする。

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↑を検索した際に、一緒に候補に出てきた。

今さら訊けない・・・第二言語習得再入門

今さら訊けない・・・第二言語習得再入門

タイトル理解不能。「いまさら聞けない」…て、んなアホな。大概どんな分野でもノービスには難しいもので、そんな「聞けない空気」が醸成されてしまうほど、この分野は正しく一般に広まる類いのものでもなかろうし、排他的な領域でもないのでは。「何となくの「常識」に振り回されてはいけない」というのが、そもそも第二言語習得「研究」の一つの趣旨なのでは?
とか、タイトルだけ見て噛みついてみるテスト。

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形態論と統語論の分別をきちんとする必要性や、文の句構造や動詞の項構造の理解を強調する辺り、とてもナイスな試み。この辺は教えてても本当に実感することで、安藤先生ありがとう、てなもんですね。
…なんだけど、安藤文法を読んでしまうとやっぱり、「現在完了時制」とか「数量形容詞」とか、どうしても粗く感じてしまうんだよな…。一般の耳に馴染みのある言葉で、という制約は理解するのですが…。
あと、発音編で、後舌広母音の「ア」(hotのアメリカ発音)の長音位置を「オェッと吐く寸前の喉のポジション」とか解るような解らんような説明してたり、三重母音ireを音素として認めつつ、our/owerを認めてなかったりなど、多少気になるところも。

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ついつい引用したくなる安藤文法。

(1) 不定数量詞(indefinite quantifier)(伝統文法の不定代名詞(indefinite pronoun)に相当する)
(i)閉じた集合: all, both, each, every, some, any, most ...(略)
(ii)開いた集合: a couple of, a great deal of, plenty of, a number of, ...(略)

唸りますね。

現代英文法講義

現代英文法講義