スパッラ。

ただいまこの第3番を聞いたところ。

Cello Suites

Cello Suites

 普通のチェロに比べて、非整数次倍音が豊かというか、密度感やまとまりという点で、基音とのバランスがよく、軽さとともに音色的充実感があり、またバイオリンというよりはビオラ的なタイム感の軽さがあって、リラックスして聞ける。低音はマニアでもない限り十分と感じられるはず。
 私などは普通のチェロでの演奏は、低音が密すぎるように感じるし、テンポも引っ張りがちだし、重すぎて普段聴きに使えた験しがない。ビルスマですらそうだった。
 といって、ビオラでの演奏も、オクターブ高いせいで重心が高く、倍音も当然少なく、マニア向けという感じが否めない。
 曲のクオリティは認めつつ、私のような感想を持っている人というのは、実は結構、特にクラシック馴れしてない人に多いんじゃないかと、勝手に思っている。
 そういう人でも、スパッラのバージョンだったら結構勧められると思う。


 ビオロンチェロ・ダ・スパッラの演奏では外に寺神戸さんの

バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲

バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲

があるが、未聴。
 バディアロフさんはメルマガももらってるし、サービス公開のあったスパッラの論文も読んでいる。
 スパッラを使った演奏は、例のブランデンブルクの第六番が聴いてみたい。この曲のチェロパートは、とてもあの楽器のために書かれたとは思えない音使い・指使いで、プロ並みの手練れでないと引きこなせず、多分そのせいもあって、実演に接する機会は少ない。スパッラの登場で、必ずしもプロでなくても、十分にアンサンブル出来ところまで現実的な難易度になるはずで、そういうのが増えてくれたら良いのになぁ、とか思うのである。